2008-10

本田美奈子さんとブライアン・メイ

今日、情報公開しましたが、11月6日に発売する本田美奈子さんの新しいアルバムで、クイーンのブライアン・メイとの共演が実現しました。

そもそも今回のアルバムは、本田美奈子さんが遺した歌そのものを、できるだけシンプルな形で聴いてもらえるようなものを作りたい、というのが始まりでした。
もとの録音の時は、最初に井上鑑さんとバックトラックを作って、そこに歌を入れるという方法(とは言え、バックトラックの録音の時も、必ず一緒に歌って、演奏者が歌の呼吸を掴んで弾きやすいようにはしていて、そのまま歌を録り直さずOKになった曲もあるのですが)を取っていましたが、今回は、最初に声があって、その声を最も生かすには、どうしたらいいかという方向で、作品作りをしたのです。マルチテープ(正確には、テープでなく、DVD-Rに保存されたデータですが)から歌だけを抜き出し、そこに、新しいバックトラックを録音していきました。
本田美奈子さんが生きていたときには、常に次のことを考えて、録音した歌だけを聴き直すということはなかったのですが、亡くなって、声だけを聴いてみたときに、改めて見えてきたことがいろいろあり、それが今回のような作品を作りたいという思いになりました。

共演は、ロンドンのルネサンススタイルのコーラスグループが半分、後の半分は、日本の誇るギターの名手、松原正樹さんと今剛さんのツインギターという、最も声を生かせる構成にしました。

そして、ロンドンでのコーラス録音セッションの詳細が決まってきた段階で、せっかくロンドンに行くなら、ブライアン・メイに参加してもらったら、という夢のようなアイデアが出てきたのです。
本田美奈子さんが亡くなったときに、メールのやりとりをし、ブライアンの美奈子さんに対する思いは分かっていたので、無理を承知で、今回の計画をメールしました。できればどれかの曲でギターを弾いてくれないか、というお願いとともに。
驚いたことに、ブライアンからは、その日のうちに返事が来ました。今、クイーンとポール・ロジャースのアルバムの制作をしていてとても忙しい時期だけれど、美奈子のために、何かできたらと思う。とにかく、美奈子の声を送ってみてくれないか、と。
すぐに、「アメジング・グレイス」を含む5曲の声をインターネットで送ると、ブライアンからは、「アメイジング・グレイス」がとても気に入ったので、ただギターを弾くというのではなく、トラックとして完成させてもいいか?
という返事が来ました。
もちろん、と返事すると、翌朝、またブライアンからのメールが届いていました。
「ちょっとびっくりするプレゼントがあるよ」と書いてあり、添付ファイルが付いています。
何とそれが、ブライアンが、その日の午後と夜をかけて一気に作り上げた、デモ、と言っても、ほとんど完成に近い「アメイジング・グレイス」でした。
そのメールには、
「もちろん、まだ多少調整しなければいけない部分はあるけれど、今日の午後から夜にかけて作ったみたんだ・・・ミナコの声にインスパイアされて、途中でやめることができなかった。レコーディングしている間中、僕は微笑んでいたよ・・・でも作業を終えて、スタッフと一緒に聴いていたら・・・涙が止まらなかった。」

それが、今回のアルバムにスペシャル・トリビュート・トラックとして収めた「アメイジング・グレイス」です。

「アメイジング・グレイス」は、ロンドンのコーラスグループとも録音しました。
こちらは、ヨーロッパの教会で、聖歌隊と一緒に歌っているようなイメージです。

是非、今まで本田美奈子さんの歌を聴いたことがなかった方にも、聴いて欲しいアルバムです。
ヒリヤード・アンサンブルやタリス・スコラーズが好きな方は、きっと気に入っていただけるのではないかと思います。
11月6日の発売日をお楽しみに。

本田美奈子. Eternal Harmony

1. プロローグ(井上鑑)
2. アメイジング・グレイス (トラディショナル)
3. 白鳥 (サン=サーンス)
4. 美しい夕暮れ (ドビュッシー)
5. ニューシネマパラダイス (モリコーネ)
6. 風のくちづけ~「リュートのための古代舞曲とアリア」よりイタリアーナ (レスピーギ)
7. この素晴らしき世界 (ダグラス)
8. 新世界 (ドヴォルザーク)
9. タイスの瞑想曲 (マスネ)
10. エピローグ (井上鑑)

11. アメイジング・グレイス(トラディショナル) Produced by Brian May

本田美奈子EternalHormony

藤原道山 × 冨田勲

今年の秋にリリースする作品の制作が、ようやく一段落です。

中でも、藤原道山と冨田勲氏の顔合わせによる新しいアルバム「響-kyo-」は、前回のブログにも書いたように、SACDによる、サラウンド作品で、サラウンドとステレオのふたつの音を作る作業が必要だったため、なかなか大変でしたが、苦労しがいのある、面白い作品になりました。
道山の尺八を壮大なTOMITAサラウンドが包み込んで、日本からアジアの様々な風景を描くアルバムです。

そのPVの撮影で、久しぶりに、伊豆大島に行ってきました。

伊豆大島  伊豆大島

作品のスケールを表現できるのは、東京の近くでは、三原山の裏砂漠しかありません。
3時過ぎに起きて、日の出前からカメラを回すという、ハードは撮影でしたが、その甲斐あって、かっこいい絵が撮れました。監督の松田さんに感謝です。
帰りは、時間の関係で、初めて、調布飛行場への飛行機を使いました。
ヒマラヤに行ったときに乗ったのと同じ、わずか20人乗りのプロペラ機で、東京の街がよく見えて、窓にかじりついてしまいました。

他にも、この秋の作品(大我、本田美奈子、矢野沙織)は、どれも、自分ではとても手応えを感じられるものになったので、早くみなさんに届けたい気持ちです。
まずは10月22日に発売する大我。10歳の子供だと思って敬遠している方も多いかも知れませんが、聴いたらびっくりしますよ。ビル・エバンスの「ワルツ・フォー・デビー」が好きな方は、だまされたと思って是非聴いてみてください。きっと気に入っていただけると思います。

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